組織概要
NPO 法人国際書画印研究会は、「東洋文化芸術の創造・発展・継承」を核心理念とする非営利の芸術団体です。
私たちは、日本の書道と中国書法、絵画、篆刻芸術を基盤とし、「書・画・印」の三位一体の美学精神を探求し、現代社会においてその文化的価値を継承・発展させることに力を注いでいます。
発足の経緯
書・画・印の芸術は、悠久の歴史を有し、東アジア文化特有の哲学と美意識を内包しています。これは単なる技術の表現にとどまらず、人と自然、人と歴史とのく静かな対話でもあります。
本会設立のきっかけは、この芸術伝統への深い愛情と、 「伝統は博物館に閉じ込められるべきではなく、現代の暮らしの中で理解され、体験され、生かされるべきだ」という共通の信念にあります。
グローバル化が進み、芸術教育が実用性を重視する現代において、私たちはより広い視野から書・画・印の学びと伝え方を見つめ直したいと考えています。
真の学びとは、技法の模倣にとどまらず、精神の体得と個性の表現にあります。
そのため本会は、研究・創作・教育・国際交流を通じて、「書・画・印」という独自の芸術形態が時代や国境を越えて、絶えず成長し、流れ続けていくことを目指します。
私たちは、学習者同士が本質に立ち返り、精神に触れ、自由に表現できるような、開かれたあたたかい空間をつくりたいと願っています。 伝統から新しい創造が生まれ、「今」との新たなつながりが築かれる場となることを目指します。
活動内容
私たちは、芸術の継承は単なる技法の模倣にとどまるべきではなく、個々の思考と創造意欲を刺激するものであるべきだと考えています。
この理念に基づき、本研究会では以下の多様な形で理念の実践を進めてまいります。
●作品展覧会
書・画・印の作品展を定期的に開催し、異流派や地域間の交流と共創を促進します。 これにより、伝統芸術が現代に再生されることを目指します。
●公開セミナーおよび講座
書画印の実技ワークショップ、美学・芸術史に関する講座を市民に開放し、東洋芸術に対する理解をより深める機会を提供します。
●異文化交流
国内外の芸術団体、 教育機関などと連携し、 アート交流会・ 展覧会などを実施することで、双方向の文化交流を推進します。
●研究と出版
芸術関連の資料・図録の企画・出版を行い、学術研究および芸術教育の支援を行います。
●オンライン教育
遠隔講座や学習資料を提供し、より多くの人々が東洋の書・画・印芸術に触れることができる機会を創出します。
私たちは、学習者の自立した思考と内的な体験を重視し、伝統を土台としながらも個性の探究と表現を尊重します。
教育・研究・共有を通じて、国境や世代を越える文化的なプラットフォームを築き、 東洋書画印の芸術が現代においても生命力を持ち続け、 世界との対話を継続できるよう取り組んでまいります。
NPOのビジョン
私たちは、芸術の本質とは「見る力」——自然を見つめ、歴史を見つめ、そして自分自身を見つめる力であると信じています。
書・画・印に宿る線の流れ、気韻、そして余白の美は、静かに内面を観るための方法であり、深い省察を促すものです。
私たちは、ますます慌ただしくなるこの時代にあって、柔らかな筆で、生命の広がりと深みを描いていきたいと願っています。
変化の激しい現代社会において、「書」「画」「印」という表現を通じて、人々の東洋的な美意識と内省の力を呼び覚ましたい。
継続的な実践と分かち合いを通じて、この唯一無二の文化の血脈が、世界の文化舞台においても、やさしく、そして力強く響き続けると私たちは信じています。
2025年活動スケジュール
5月 墨の香りを楽しむ:書道体験会
漢字の美しさと墨の香りを味わいながら、心を込めて書をしたためましょう。
6月 漆の彩り:漆画創作ワークショップ
伝統的な漆芸を体験し、自分だけの作品を描いてみませんか。
7月 お茶を通じた心の交流:日中茶文化サロン
一杯のお茶から始まる交流。東洋の茶道文化にふれ、心を通わせましょう。
8月 アートの交差点:福岡市美術館交流展
日中アーティストによる作品展を開催。多彩な芸術の世界を共に鑑賞しましょう。
9月 自然の中で描く:屋外スケッチ会
四季の風景を感じながら、筆に心を託して描く写生体験。
10月 本と語らう午後:日中読書サロン
同じ本を読み、文化や価値観を語り合う、知的で心温まるひとときをご一緒に。
11月 甘味の文化交流:日中伝統菓子交流会
両国の伝統菓子を味わい、その背景にある物語や作り方を学びます。
12月 手作りの温もり:餃子作り交流会
一緒に餃子を包み、食卓を囲んで温かな時間を楽しみましょう。
2026年1月 新春の集い:日中迎春交流会
書画の披露、美味しい料理、新年のご挨拶を通じて、文化と友情を深めましょう。
理事紹介

理事長:安川 大悟(やすかわ たいご)
十代後半より書道に強い関心を抱き、 長年にわたり学習と実践を通じて技術を磨いてきました。 中国・ 西安交通大学へ 5 年間留学し、 中国書法専攻の修士課程を修了しました。
在学中は技術の向上にとどまらず、 中国書法に内在する哲学や文化的背景についても深く探求しました。この留学経験は芸術的な基盤を築くとともに、中国伝統書法文化への理解と情熱を一層深め、日本の書道との違いを知る契機にもなりました。
帰国後は、日本における書道文化および中国書法の普及・啓発活動に努めています。
2019 年には福岡市にて「魚心堂教室」を設立し、市民が気軽に書道や中国書法、絵画に触れられる場を提供しています。毎年展覧会を企画・開催することで、書道・中国書法・絵画・篆刻といった伝統芸術の再生と発展にも取り組んでいます。

副理事長:崔 文一(さい ぶんいち)
幼少期より書法と絵画に強い興味を持ち、2020 年に日本へ留学。以降、伝統芸術へのより深い探求を続けてきました。2022 年からは魚心堂教室にて本格的に書法と絵画を学び、伝統芸術の本質に迫る研究を重ねています。
2023 年には九州大学芸術工学府の修士課程を修了し、芸術的素養と専門的能力をさらに高めました。修了後は魚心堂に講師として務め、指導と創作の両面で修行を続けています。
現在は、武蔵野美術大学油絵学科通信教育課程にて学びを続けながら、芸術的視野を広げ、表現の可能性を追求しています。多様な素材と技法を用いた作品制作を通して、表現の可能性を探り続けています。
彼女は、「芸術の精神は、表現形式を超えて共鳴するものである」と信じています。
研究会の活動を通じて、 伝統芸術の美しさを広めると同時に、 アーティスト同士が交流し、共に創造できる機会を増やすことを目指しています。
お問い合わせ
福岡市西区愛宕南1丁目7番7ー203号
090-5930-6300
Address: 203, 1-7-7 Atago Minami, Nishi-ku, Fukuoka City, 819-0007